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「健康経営銘柄」を取得するメリットとは?
選定基準や選定企業の事例をご紹介

東京証券取引所の上場企業の中から、健康経営に優れた企業から選定される「健康経営銘柄」。健康経営を実践しようとしている経営者や企業の人事、総務担当の方々の中には、関心を持っている方も多いのではないでしょうか。

ここでは、健康経営銘柄とは何か、といった基礎知識から、選定されるメリットや選定基準、選定された企業の具体的な事例などを紹介します。

目次

01 「健康経営銘柄」とは企業の「健康経営」を促進する制度

ここでは、「健康経営銘柄」とは何か、詳しく紹介します。

健康経営にかかわる顕彰制度

「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。なかでも特に優れた取り組みを行う企業を認定する制度として「健康経営銘柄」が設けられており、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定しています。

健康経営に取り組む優良な法人を見える化し、健康経営を促進するための制度でもあり、毎年約50企業が選定されます。
また、長期的な視点から企業価値の向上を重視する投資家に対して、魅力ある企業として紹介する役割も果たしています。

そのため、健康経営銘柄企業は、健康経営を普及拡大していく役割も期待されており、健康経営が労働生産性や企業価値に与える効果を分析し、社外へと積極的に発信していくことが求められます。

「健康経営銘柄」と「健康経営優良法人」、「ホワイト500」「ブライト500」の違いとは

健康経営にかかわる顕彰制度は「健康経営銘柄」のほかに、「健康経営優良法人認定制度」があり、要件をクリアすると「健康経営優良法人」や企業規模に応じて「ホワイト500」「ブライト500」に認定されます。

健康経営優良法人
地域の健康課題に即した取組や日本健康会議が進める健康増進の取組をもとに、特に優良な健康経営を実践している企業が認定されます。健康経営に取り組む優良な法人を「見える化」することで、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人」として社会的に評価を受けることができる制度です。
ホワイト500、ブライト500
「健康経営優良法人」と認定された企業のうち、それぞれ優れた取り組みをする上位500法人が認定されます。大規模法人部門では「ホワイト500」、中小規模法人部門では「ブライト500」として認定されます。
健康経営銘柄
大規模法人部門の「ホワイト500」に認定された企業のうち、特に優れた「上場企業」が選定されるものです。1業種1社の選定を基本としており、2023年3月には、「健康経営銘柄2023」に、31業種から49社が選ばれました。

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02 「健康経営銘柄」に選定されるメリットとは?

「健康経営銘柄」に選ばれることで、以下のようなメリットが期待できます。

職場環境や従業員の健康改善による生産性の向上

健康経営銘柄の取得に向け、様々な施策に取り組むことで、多くの効果が得られます。

例えば、健康診断や任意健診の受診率を高めることで、病気の早期発見に繋がり、中長期的な医療費の削減が期待できます。また、食生活改善や運動促進施策の導入などにより、従業員の健康意識が向上し、より良い生活習慣の定着にも繋がります。

その他、快適で清潔なオフィス環境に整備することで、コミュニケーション向上に繋がったという声や、残業時間の削減などの働き方改善施策が生産性向上に繋がったケースなどもあります。

企業のイメージがアップ

健康経営銘柄へと選定されると、社内外へ取り組み内容をPRする機会が増えます。例えば、経済産業省主催の「健康経営アワード」にて大々的に公表されると共に、「健康経営銘柄 選定企業紹介レポート」が発行され、その中でも取り組み内容を発信することが可能です。

また健康経営銘柄は、基本1業種1社にて選定されます。そのため、選定された企業は、社外からの認知度・注目度が高まり、結果として、企業イメージの向上や企業ブランド力強化などに繋がります。

健康経営に取り組んでいることは、取引先や投資家へのアピールにもなり、会社としての信頼度が高まるだけではなく、株価上昇に繋がることも期待できます。
その他にも、近年就職や転職活動をする際に、企業が社会的な責任を果たしているか、積極的な情報開示を行っているかと合わせて、従業員へ健康投資を行っているかを重視する人も増えています。つまり、優秀な人材の確保という面でも、健康経営は重要であると言えます。

03 「健康経営銘柄 」の選定フローと選定基準を知ろう

健康経営銘柄がどのように選定されるのか全体の流れや選定基準を紹介します。

選定フロー

健康経営銘柄の選定は、以下のフローにて行われています。

  1. 健康経営度調査の実施
    「健康経営度調査票」(従業員の健康に関する取り組みについての調査)をダウンロードし、自社の取り組み状況を記載のうえ、
    アップロード
  2. 健康経営優良法人への申請法人のうち、上位500社以内の上場企業を候補として抽出
  3. 財務指標スクリーニングや加点等を実施
  4. 経済産業省及び東京証券取引所が共同で選定

申し込みや調査票のDL、認定スケジュールは「ACTION!健康経営」をご確認ください。 ※外部のウェブサイトへ移動します

選定基準

経済産業省が公表している主な選定基準は、以下の通りです。

  • 重大な法令違反等がない。
  • 健康経営優良法人(大規模法人部門)申請法人の上位500位以内である。
  • ROE(自己資本利益率)の直近3年間平均が0%以上または直近3年連続で下降していない企業を対象とし、ROEが高い企業には一定の加点を行う。
  • 前年度回答有無、社外への情報開示の状況についても評価し、一定の加点を行う。

また、健康経営の実践度合いを、「1.経営理念・方針」「2.組織体制」「3.制度・施策実行」「4.評価・改善」「5.法令遵守・リスクマネジメント」の5つのフレームワークからも評価されています。

それぞれのフレームワークには、健康経営の取り組み度合いに関する社会的な現状を踏まえて評価配点のウェイトを設定し、最終評価、選定がなされています。

04 【2023年版】健康経営銘柄に選定された企業の事例を紹介!

ここからは、「健康経営銘柄2023」に選定された企業の施策をご紹介します。

「健康経営銘柄2023」に選定された企業が注力している取組ランキング

2023年度版の「健康経営銘柄 選定企業紹介レポート」によると、健康経営銘柄に選定された企業は、基本的な健康経営施策に加え、以下のような施策に重点的に取り組まれていました。

  1. ウォーキングイベントなどの運動施策(14社/49社)
  2. 禁煙関連(8社/49社)
  3. メンタルヘルス関連(5社/49社)

そのほかにも、女性の健康問題や、オーラルケアに取り組む企業など、各企業の状況や、従業員の特性、興味関心に合わせた施策が多くみられました。

近年では、アブセンティーイズムやプレゼンティーイズム、ワークエンゲイジメントを重要指標とする企業が増えています。また、従業員に対して強制的に実施する施策だけでなく、ワークパフォーマンス向上や、ヘルスリテラシー向上によるセルフコンディショニング力アップなど、自発的な健康活動を促すためのきっかけづくりとなる施策に取り組んでいる企業が多いようです。

ライオン株式会社の健康経営への取り組み(健康経営銘柄2023選定)

ライオン株式会社は、「健康経営銘柄2023」の選定を受けました。
また、2017年から7年連続で「健康経営優良法人ホワイト500」に認定されました。

ライオンでは、従業員の健康は「会社の健全な成長を支える経営基盤である」との考えを基本としています。
経営ビジョン「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」に向け、一人ひとりの「心と身体のヘルスケア」を実現するため、会社・従業員・健保が一体となって「生活習慣改善・お口の健康・メンタルヘルス対策・がん予防・禁煙支援等健康行動習慣化」へのサポートを実践しています。

具体的な施策内容については、以下のリンクご確認ください。

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ライオン株式会社では、自社内での健康経営推進のみならず、健康経営支援として様々な活動をしています。現在、お口から従業員様の生活を支えるために、オーラルケアセミナー、e-ラーニング、唾液検査などの「法人向けプログラム」を提供しています。

法人向けウェルビーイングサポートサービス
「おくちプラスユー」

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まとめ

「健康経営銘柄」は健康経営に取り組む上場企業の中から特に優れた企業が選定されます。

健康経営銘柄に選定されることで企業のイメージがアップし、さらに従業員の職場環境や健康状態が改善されることで生産性も向上するなどさまざまなメリットがあります。「健康経営銘柄」認定を目標に、健康経営に取り組んでみてはいかがでしょうか。

「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

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