01 オーラルケアはなぜ重要?
健康経営の取り組みの一歩目として、生活習慣病の予防やメンタルヘルス対策を実施している企業が多いのではないでしょうか。ここでは、一歩進んだテーマとして、オーラルケアと全身健康とのつながりや、世界的な注目度の高まり、ビジネスパーソンにおけるオーラルケアの重要性について、解説していきます。
オーラルケアとは?
「オーラルケア(口腔ケア)」とは、未だしっかりと定義されているわけではありませんが、厚生労働省の「e-ヘルスネット」では、下記のように整理されています。
狭義:口腔疾患および気道感染・肺炎に対する予防を目的とする口腔清掃や口腔保健指導を中心とするケア
広義:口腔疾患および機能障害に対する予防、治療、リハビリテ-ションを目的とする歯科治療から機能訓練までを含むケア
歯や歯ぐきのみの手入れを意味する「デンタルケア」とは異なり、口腔全体をケアし、口腔疾患などの予防・治療することを指します。
オーラルケアの重要性
お口は全身健康の入り口と言われており、例えば歯周病は、脳や肺・心臓の病気や糖尿病、低体重児出産など様々な全身の疾患との関連性が指摘されています。お口から健康でいることは、全身の健康を維持する上でも重要です。
また、お口は豊かな生活の元とも言われています。好きなものを食べる、楽しく話す、思いっきり笑う…など、日々を豊かに過ごすために必要なパーツです。健やかでキレイなお口でいることは、私たちの心の前向きさにも繋がります。
世界的にもオーラルケアの注目度が高まっている
歯周病などの口腔疾患の有病率は世界的にも高い一方、その多くが予防可能なことから、2021年WHO(世界保健機関)において、口腔保健に関する決議が採択されるなど、改めてその重要性に注目が集まっています。日本国内でも、「骨太の方針2022」において、「生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)の具体的な検討」が記載されるなど、オーラルケアを通じた健康づくりへの関心が高まっています。
ビジネスパーソンにおいてもオーラルケアが重要!
ビジネスパーソンにおいても、「お口の健康」は重要だと言えます。
1. 口元の清潔感がビジネスシーンでの印象を決定する
ビジネスシーンにおいて「印象」は非常に重要です。初対面で良い印象を持った人の特徴を聞いた調査では、68%が「笑顔が多い」、44%が「歯がキレイ」と答えており、お口に関わる回答が上位を占めています。それ以外にも、口臭などのニオイを気にされる方も多く、ビジネスにて良い印象を得るためにも、オーラルケアは重要です。
2. 自己管理能力とオーラルケアの関連性
ビジネスパーソンに重要な「自己管理能力」とオーラルケアに対する意識の高さは関連性があることがわかっています。オーラルケアに取り組んでいる人(1日3回以上歯みがき、デンタルフロスなどの週1回以上の使用に加え、年1回以上の歯科医院通院実施者)は、そうではない人と比べて、健康管理やスケジュール管理ができる傾向にあり、トラブルになる前に先回りして対処する傾向がありました。お口のトラブルが起こる前に予防できる人は、仕事でも同様の傾向があると考えます。