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女性の健康問題と、健康経営、オーラルケアとの関連性

皆さんは「女性の健康課題」をご存じでしょうか?女性の社会進出が進み、労働力人口総数に占める女性の割合は増加傾向にあります。女性の体はライフステージとともに変化が起き、生理周期から更年期など、女性特有の健康課題は多岐にわたります。健康経営においても高い関心が寄せられている女性の健康、またオーラルケアとの関係について探ります。

目次

01 女性の健康とは

女性の体は、ライフステージごとに様々な課題に直面します。具体的には、生理周期の管理や、妊娠、出産、更年期、またそれに対応する体力や健康状態の維持があげられます。これらは単に個人の問題ではなく、職場や社会全体の生産性に関連しています。女性の健康が整えられることは健康経営の側面からみても重要です。

生理周期の基礎知識

生理周期は、多くの女性にとって重要な健康のリズムです。一般的に、生理周期は約28日間で一周し、排卵日を境に前半の卵胞期と後半の黄体期に分けられます。この周期を知り、自身の体の変化を把握することで、健康管理や妊娠計画、さらにはPMS(月経前症候群)への対策を立てることができます。生理周期の不調がゆえに生じる身体的、精神的な不調を正しく理解し、適切なケアを行うことは、女性がより良い生活を送るための基本となります。

PMS(月経前症候群)の影響

月経前症候群(PMS)は、生理前に現れる様々な身体的、精神的な症状の総称です。具体的には、イライラや落ち込み、頭痛、疲労感などが挙げられ、これらの症状は女性の日常生活に大きな影響を及ぼします。PMSの程度は人によって大きく異なりますが、重い場合には日常生活に支障をきたす場合もあり得るのです。女性の社会進出が進む中、PMSに対する正しい理解と支援が、職場を含めた社会全体で求められています。

妊娠による体の変化

妊娠は女性の体にとって大きな変化をもたらします。初期のつわりや体重の増加、ホルモンバランスの変化による心理的変動など、妊娠中の女性が経験する変化は多岐にわたります。これらの変化に適応することは、母体と胎児の健康を守るために極めて重要です。職場においても、妊娠中の女性が安心して働き続けられるような配慮が求められ、柔軟な勤務体系や休暇制度の整備が不可欠になります。

更年期障害の実情

更年期は一般に45歳から55歳頃に訪れる閉経に向けた移行期間をさします。この時期にはホルモンバランスの変化によって、ホットフラッシュ(突然のほてり)、不眠、心理的不安定などの症状が現れることがあります。これらの症状は、個々の女性の日常生活だけではなく仕事にも影響を及ぼすことがあります。そこで、更年期障害の理解と適切な対応は、女性自身の生活の質を維持するだけでなく、職場の生産性向上にも寄与するものとして重視されているのです。

02 女性の健康課題が注目されているわけ

女性の社会進出が進み、女性の健康課題が新たな視点で注目されるようになりました。女性の健康を支えることが、企業にとって、その活躍を後押しする重要な要素となっているのです。

働く女性の増加

令和5年の女性の労働力人口は3,124万人、総労働力人口に占める女性の割合は45.1%となっており、年々増加傾向にあります。(出典:総務省「労働力調査」)
共働き世帯も増えており、企業や組織は女性が安心して働き続けられる環境を整える必要があるといえます。

女性の健康課題による職場への影響

女性の健康課題は生産性や離職率に影響を与える場合があります。PMSや生理痛といった生理周期に関連する健康問題は、アブセンティーズム(欠勤や早退などで就労できない状態)やプレゼンティーズム(就労しているがパフォーマンスが落ちている状態)につながります。加えて、出産や育児といった女性のライフステージに応じたサポートが不足していると、離職や女性のキャリアの断絶につながるリスクが高くなります。女性の健康課題は、組織全体で対策の検討が必要だと言えるでしょう。

女性の健康課題に対するリテラシーの低さ

女性の健康課題においては、個人だけでなく、周囲の理解とサポートが非常に重要です。しかしながら、女性特有の健康課題への認識は、まだ十分であると言えません。正しい知識が共有されていないため、職場での適切な対応が取られず、トラブルにつながるケースも存在します。組織として女性の健康課題への理解を深め、サポート体制を向上させることが求められています。

03 企業における女性の健康課題への対応

企業が女性の健康について支援を行うことは、生産性向上や多様な働き方の実現に繋がります。企業側が女性の健康管理に対してどのような理解を示し、どのような取り組みを行なっていけば良いのかを、具体的に見ていきましょう。

女性のキャリアと健康を両立させる方法

女性が直面する健康課題は、生理周期やそれに伴う不調、妊娠・出産、更年期障害など様々です。これらに対処するためには、まずは職場内での健康に関するリテラシーを高めることが重要です。従業員や管理職に対する教育を通じて、女性の体の変化についての理解を深めていくと同時に、女性自身も自己管理能力を強化していく必要があります。テレワークの導入や、臨時の休暇制度の提供など、必要に応じて柔軟な勤務体系を選択できるような、企業のサポートも求められていきます。

生理やPMSに関する不調への支援

生理周期やPMSに起因する体調やメンタルの不調は、女性のパフォーマンスに影響を与えかねません。またその程度は人によって様々です。生理休暇の取得や取得しやすい環境づくり、ピルの処方支援や、産婦人科やカウンセラーの紹介など、悩む人に対して支援の検討が必要だと言えるでしょう。

更年期に関する不調への支援

更年期は、ホルモンの分泌が減少することで様々な症状が発生します。(ホットフラッシュ)やイライラ、不眠など、症状がひどくなると日常生活にまで支障が出るのが、更年期障害です。さらに、このタイミングでは、骨密度が低下し、骨粗しょう症などのリスクが高まります。
また、男性にも更年期が存在すると言われており、更年期は女性だけの問題ではないと言えます。こうした変化に対し、企業としては、周囲の理解を進めることや健康診断、医療機関の紹介など、対策が求められてきます。

04 女性の健康とオーラルケアの関係性

女性はライフステージに応じて、歯周病に注意が必要なタイミングがあることが知られています。特に、ホルモンバランスの変化が顕著な妊娠期や更年期は、歯周病になりやすい時期とされています。こうしたメカニズムを理解することは、健康管理のために重要です。

女性のライフステージと歯周病 ライフステージにより、注意すべきポイントが異なる歯周病に注意が必要なタイミング
妊婦における早期低体重児出産の危険率
【図1】出典:Offenbacher ら:J Periodontol. 67:1103-1113,1996改変引用

妊娠期と歯周病

歯周病菌の中には、女性ホルモンを好む菌が存在するため、排卵期や妊娠期には注意が必要です。特に妊娠期は、女性ホルモンが一気に増えるため、歯周病に特に気を付けるべきタイミングだと言えるでしょう。また、つわりが原因で歯みがきが中々できない場合や、嘔吐によって口内が酸性になりやすい場合、さらに口腔トラブルのリスクが高まります。

また、歯周病の有無は年齢や出産経験よりも低体重児出産のリスクを高めるという調査結果もあります。メカニズムについては諸説ありますが、歯周病によって歯ぐきに炎症が起こると、プロスタグランジンという物質が産生され、この物質が増えることで子宮収縮に繋がり、陣痛が促進され、早産につながることが指摘されています。

妊娠中は女性ホルモンの増加により、歯周病のリスクが高まることを知っていましたか? 知らなかった 27% 妊娠をきっかけに知った 49% 妊娠前から知っていた 24% 歯周病が胎児の体重や出産時期に影響を 与える可能性もあることをしっていましたか? 知らなかった 21% 妊娠をきっかけに知った 46% 妊娠前から知っていた 34% 円グラフ
出典:ライオン調べ(2022年) 妊娠中の女性n=88

こうした歯周病に関するリスクについては啓発が進められていますが、2022年の調査では、妊娠中の女性でも、約2-3割の方がこれらのリスクを知らないと回答しました。十分な理解浸透のためには、更なる啓発が必要だと考えます。

更年期と歯周病

更年期の女性もまた、歯周病になりやすいリスクが高まります。この時期から女性ホルモンは減少しますが、それが要因で骨密度が低下し、歯を支える骨がもろくなり、歯周病が進行しやすくなります。また、更年期特有の不調として、体中のうるおいが低下する「ドライシンドローム」が起きることがあります。口の中が乾燥(ドライマウス)状態になることは、唾液の分泌量が減少していることでもあり、それによって歯周病のリスクが高まってしまうのです。

女性の健康とオーラルケア

おくちは全身健康の入り口と言われており、例えば歯周病は、脳や肺・心臓の病気や糖尿病など様々な全身の疾患との関連性が指摘されています。前述のとおり、女性はライフステージごとに、歯周病に気を付けるべきタイミングが存在します。
定期的な歯科医院の通院や、毎日のセルフケアを実践することで、おくちから健康を保つことは、全身の健康を維持する上でも重要です。

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まとめ

このコラムでは女性の健康と健康経営、オーラルケアの関係性について解説しました。企業にとって、働く人のライフステージに応じた健康課題に対する理解促進、またその支援策の必要性は高まっています。特に、おくちは全身健康の入り口でもあり、健康管理のために、気を付けるべきポイントをあらかじめ理解しておくことは、とても重要です。
女性の健康に関する施策をお考えの際は、ぜひライオン株式会社の法人向け健康経営支援サービス「おくちプラスユー」をご検討ください。

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