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労働生産性とは?オーラルケアと生産性の関係について

近年、少子高齢化に伴う労働人口減少により、労働力不足が課題となっており、健康経営や人的資本経営などに注目が集まっています。企業においては、従業員の健康を促進するだけでなく、同時に生産性向上も目指す必要があります。本コラムでは、企業が目指すべき労働生産性の向上とその取組について紹介いたします。

目次

01 労働生産性とは?

企業が取り組むべきポイントとしてよく挙げられる「労働生産性」ですが、これは具体的にどのような概念なのでしょうか。
労働生産性とは、労働者一人ひとりがどれだけの生産物やサービスを一定の時間内に提供できるかを示す指標です。これは、企業の競争力の源泉であり、成長のための重要なファクターともなっています。労働生産性が高い企業は、少ない労働力でより多くの成果を上げることが可能となり、効率的なビジネス展開を行うことができるようになります。

労働生産性が重要視されている理由

なぜ労働生産性がこれほどまでに重要視されているのでしょうか。その理由のひとつは、グローバル化の進展や市場環境の変化にあります。世界各国との競争が厳しくなる中、限りあるリソースをいかに効果的に使うかが、企業の成長を左右するようになっています。より少ない投資で大きなアウトプットを得るためには、労働生産性を高めることが不可欠であるとされています。また、労働生産性を高めることは、従業員のワークライフバランスや働きがい向上にもつながることが期待されます。

労働生産性と健康経営とのつながり

健康経営とは、単に従業員の健康を増進することだけでなく、生産性向上や企業価値向上に繋げる取組のことを指します。つまり生産性向上は健康経営の目的や期待効果の1つであると言えます。昨今は、健康経営だけでなく、「人的資本経営」や「ウェルビーイング経営」と言った言葉を聞く機会も増えてきましたが、それらの推進によっても生産性向上は期待されるものになっています。

02 労働生産性を向上させるためには?

企業の持続的な成長のためには、労働生産性の向上が欠かせません。労働生産性は、従業員一人ひとりがどれだけの成果を効率よく出しているかを指す指標です。これを高めるためには、複数のアプローチがあります。生産性の向上は、企業において収益向上へ直結するため、経営戦略の核となるべきポイントの一つでしょう。
ここでは、労働生産性向上に向けた施策のポイントを紹介していきます。

職場環境の改善

労働生産性を高めるためには、まず従業員が快適に働ける職場環境を整えなければなりません。職場の物理的な環境、たとえば照明や温度、騒音レベルなどの改善はもちろんのこと、通信手段の最適化や空間レイアウトの見直しも重要です。また、物理的な環境だけでなく、心理的安全性の高い職場にすることなども必要です。職場環境の改善は、日々の業務の質と効率に直結する点からも、欠かせない取り組みとなります。

業務効率化

業務効率化は、時間を削減しつつ、同じかそれ以上の成果を出すための手段であり、労働時間あたりの生産アウトプットを高めるためには欠かせません。これを実現するためには、業務プロセスの見直しによる無駄の排除、タスクマネジメントの徹底、デジタルツールなどを活用した自動化やスピードアップなどが有効です。また、定期的なレビューを実施し、改善を繰り返すことで、持続的な業務効率向上を図っていくことが大切です。

従業員の能力開発

従業員の能力やスキルなど「人的資本」への投資も、非常に重要です。継続的な教育訓練や積極的なキャリア形成への支援など、一人ひとりの従業員が能力を最大限発揮する後押しをすることが、最終的には生産性の向上につながります。人的資本への投資は、長期視点で企業の競争力を高めるためには必要不可欠だと言えるでしょう。

03 労働生産性とオーラルケアの関係

従業員の生産性を維持・向上することは企業にとって大きな課題です。健康経営においては、さまざまな取り組みがありますが、意外と知られていないのがオーラルケアと生産性の関係です。ここでは、オーラルケアと生産性の関係についてご紹介します。

オーラルケアとアブセンティーズム・プレゼンティーズム

従業員の生産性を向上させるためには、アブセンティーズム(欠勤や早退などで就労できない状態)、プレゼンティーズム(就労しているがパフォーマンスの落ちている状態)を改善する必要があります。前者は、そもそも就労できないため生産性がゼロになり、後者は十分なパフォーマンスが発揮できず生産性が落ちてしまうからです。
健康な口腔状態を保つことは予定外休暇の削減につながること、良いオーラルケア習慣を身に着けることはパフォーマンス指標の改善につながることが分かっています。

詳細はこちらを確認ください。

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国民皆歯科健診と、医科医療費・歯科医療費との関係性

歯みがき行為による脳の活性化

歯をみがくことは、むし歯や歯周病予防といった口腔健康の維持・改善以外のメリットがあります。

脳と体の部位の関係図 出典:Penfield, W. & Boldrey, E. Somatic motor and sensory representation in the cerebral cortex of man as studied by electrical stimulation Brain 60,389-443 (1937)。(一部改変)

こちらは脳と体の部位の関係を示したものですが、口腔に関する項目は、脳の感覚認識の約30%を占めると言われています。髪の毛を足で踏んでも中々気づきにくいですが、口の中に入るとすぐに気づくと思います。それは、こうした脳と口腔の関係が影響しています。

口腔 脳 活性化 スッキリ感 集中力UP 眠気低減 出典:左達ら、「歯磨き行為の積極的休息への応用について」「産業衛生学会誌」2010 水野ら、「ブラッシングによる能賦活: fMRIによる研究 成人による基礎的解析」「老年歯学」第23巻第3号2008

口腔への刺激、中でもハブラシによるブラッシング刺激は、脳を活性化させることが報告されています。脳が活性化することで、頭のスッキリ感や集中力が高まり、眠気低減などが期待できます。

昼歯みがきと気持ちのリフレッシュ・集中

実際に、昼歯みがきをしているビジネスパーソンに聞いたアンケート結果では、約9割が昼歯みがきをすることで「リフレッシュできそう」、「仕事に集中できそう」と感じていました。

気持ちをリフレッシュしたり、「午後もがんばろう」など、メリハリをつけて働けそう 90% 口臭や食べカス等をスッキリ落として、仕事に集中できそう 93% 出典:出典:ライオンペ20-50代オフィスワーカー192名(2015年)

昼歯みがきと眠気

また昼歯みがきをしている人は、日中の眠気が少ないというデータもあります。

日中の眠気がある場合 棒グラフ 出典:ライオンペ10-60代有 (2008~2018年)31,957 時間・性別・年代を傾向スコアマッチングで調整 -0,001

昼歯みがきを始めとする歯みがき行動は、口の中をスッキリさせるだけでなく、ブラッシングによる刺激によって、脳の活性化につながる可能性があります。脳の活性化によって眠気が少なくなり、パフォーマンスや生産性向上に貢献することが期待できるのです。

04 歯みがき回数の実態

昼歯みがきの話がありましたが、実際にどれくらいの人がこまめに歯みがきをしているでしょうか。厚生労働省の調査によると、1969年時点では1日2回以上歯をみがく人は17%しかいませんでしたが、2022年は79%まで拡大しています。また2022年3回以上歯をみがく人は28%となっており、朝昼晩など、こまめに歯をみがく人は増えています。しかし、未だ7割以上の人が1日3回以上歯をみがいていないことを踏まえると、口腔健康の維持向上のためだけでなく、生産性向上といった観点からも、歯みがき習慣の拡大が望まれます。

1日あたりの歯みがき回数推移 1969年では、1日2回以上歯をみがく人は17%しかなかったが、2020年には79%まで上昇 2022年で、1日3回以上歯をみがく人は28%となっている 帯グラフ

05 健康経営支援サービス「おくちプラスユー」

おくちプラスユーは、おくちから健康経営を支援するライオンの法人向けオーラルケアサービスです。歯みがきによるメリットや歯のみがき方などを分かりやすくお伝えするセミナー・e-ラーニング、歯みがき習慣へのモチベーションを高める唾液検査、オーラルケアグッズの提供などを行っています。

法人向けウェルビーイングサポートサービス
「おくちプラスユー」

まとめ

労働生産性を高めることは企業にとって重要です。生産性を向上するためには様々な取り組みがありますが、オーラルケアも生産性と関連性があることが分かってきており、向上施策の一環として、オーラルケア施策の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
ライオン株式会社では、おくちから健康経営を支援する「おくちプラスユー」を提供しています。オーラルケア施策の導入をご検討の際は、ぜひご相談ください。

「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

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