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オーラルケア

国民皆歯科健診と企業における歯科健診メリット

2022年6月、「骨太の方針2022」において、「生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)の具体的な検討」が盛り込まれました。
本コラムでは、近年注目度が高まっている歯科健診について、企業の健康経営観点での重要性や具体事例をご紹介します。

01 国民皆歯科健診とは?

2022年6月に政府が発表した「骨太の方針2022」に、「生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)の具体的な検討」が盛り込まれました。これは、生涯を通じた歯科健診の拡充を図るもので、現在法律で受診が義務付けられていない、妊産婦や若年層、就労世代、高齢者などに向けて、切れ目のない充実した歯科健診の提供が期待されます。

「骨太の方針」政府の重要課題や政策などの基本方針を示した文書。正式名称は「経済財政運営と改革の基本方針」。

02 意外と知られていない、歯科検診と歯科健診の違いは?

健診とは、「健康診断」のことで、自分の健康状態を確認して病気を予防することを目的としています。一方、検診とは特定の病気を発見するために行う検査を指します。

歯や口の健康を守るためには、定期的な歯科健診の実施が重要ですが、実際に歯科健診の受診率はどれくらいなのでしょうか?

03 歯科健診に関する実態

ライオンの調査によると、歯科医院で1年に1回以上、定期的に歯科健診を受けている人の割合は約4割という結果でした。
一方で、不定期・受けていないという方は約6割ほどいました。半分以上の方は、定期的な歯科健診の習慣がないことが分かります。

受けていない 37.0% 1~2ヶ月に1回 7.0% ・3ヶ月に1回 15.0% 約44% 半年に1回 14.7% 1年に1回 7.1% 不定期 19.2% ※ライオン調べ:16~69歳男女1000名、2022年 円グラフ

下記は、60代の男性に、健康に関する後悔を聞いた調査結果ですが、1位は「歯科医院に定期的に行けばよかった」でした。「体を鍛えればよかった」「暴飲暴食をしなければよかった」「睡眠時間を確保すればよかった」以上に、歯に関する項目が上位に来ています。このことからも、若いうちから定期的に歯科健診に行くことの重要性が分かります。

「健康」の後悔 トップ10 1位 歯科医院に定期的に行けば良かった 2位 歯やお口のお手入れをすれば良かった 3位 もっと睡眠時間を確保すれば良かった 4位 腹 八分目を守り、暴飲暴食をしなければよかった 5位 スポーツなどで体を鍛えればよかった 日頃からよく歩けばよかった 不規則な生活をしなければよかった ライオン調べ: 300名以上の一部上場企業勤務 60代男性100名(2022)

04 企業における歯科健診メリット

歯科取組が重要な中、実際に企業にとって歯科健診を行うメリット、期待される効果とはどのようなものがあるでしょうか?
以下、具体的に解説します。

予定外休暇の削減効果

まず、予定外休暇の削減が挙げられます。

むし歯などの口腔疾患は突発的な痛みや不調を引き起こし、仕事を休む原因となることも少なくありません。
ライオンの調査によると、会社員のうち、15%の人がおくちのトラブルによって仕事を休んだことがある、約13%の人が「中抜け・早退・遅刻をしたことがある」と回答しました。このように、おくちのトラブルは労働損失、アブセンティーズム(欠勤や早退などで就労できない状態)につながっています。

おくちのトラブルによって会社を休んだり、中抜け・早退・遅刻をしたことがあるか 中抜け・早退・遅刻をしたことがある 13% 休んだことがある 15% ない 72% 円グラフ
出典:2024年10月ライオン調べ(WEB)20-60代有職男女1522名(300名以上規模の企業)

ある事業所で行った検証によると、歯科健診を導入することで、お口のトラブルによる予定外休暇が半分以下に減少したというデータがあります。状態が悪化する前に定期的に、専門家に問題ないかチェックしてもらう習慣をつけることは、労働損失を防ぐ上でも重要だと言えます。

歯科健診導入と予定外休暇の回数比較 歯科健診の導入に伴い、口腔トラブルによる予定外の休暇は半分以下にまで減少 ※対象:2389人(02年~04年) 歯科健診導入前 計505回 導入2年後 計224回 半分以下に減少 棒グラフ
出典:市橋ら、第一回アジア太平洋ヘルスプロモーション健康教育学会(2009年)

プレゼンティーズムの改善効果

アブセンティーズムに加えて、オーラルケアはプレゼンティーズム(就労しているがパフォーマンスの落ちている状態)の改善にもつながる可能性があります。

ライオンが、ある会社と合同で行った検証によると、歯科健診の導入後、歯科医院通院・歯みがき回数・デンタルフロスの使用について、頻度が増えた人は、プレゼンティーズムを示すスコアが有意に改善していたそうです。またこの時、オーラルケア行動の変化は、睡眠や残業時間、運動習慣や飲酒量などと同様に、プレゼンティーズムの変化に関係していることも分かりました。
より良いオーラルケア習慣を身に着けることは、口腔疾患の不安がない健康な状態につながり、他の健康習慣と同様、十分なパフォーマンス発揮に寄与することが考えられます。

オーラルケア行動変化とプレゼンティーズム変化との関連【図1】 プレゼンティーズム変化と健康習慣変化 およびオーラルケア行動変化との関連性解析 (重回帰分析)に関する模式図【図2】

オーラルケア行動変化:歯磨き回数・フロス使用率・歯科通院率のいずれかの変化

出典:ライオン株式会社、プレスリリース(2023.06.01)

~歯科健診をより多くの人・企業に~日立とライオンが健康診断データを解析(PDF:795KB) ※外部のウェブサイトへ移動します

歯科健診による従業員のオーラルケア行動変容が生産性向上に寄与する可能性を確認(図1・図2)

05 歯科健診促進事例

ライオン株式会社での歯科健診を中心とした歯科取組をご紹介します。

事業所での歯科健診、歯科保健活動の実施

ライオン株式会社では、各事業所で歯科健診を実施し、従業員一人ひとりの口腔状態に合わせて、チェアサイドでの歯科保健指導を実施しています。

プロケア受診補助キャンペーン

従業員が歯科医院に通院する費用の一部を負担し、定期的な歯科医院でのチェックを促進しています。

新入社員教育などでの予防歯科を啓発

毎年、新入社員研修などの場で、セルフケアや定期的な歯科健診の必要性などを伝えるために、オーラルケアに関する講義を行っています。

06 健康経営支援サービス「おくちプラスユー」

ライオン株式会社では、従業員の歯と口の健康から企業の健康経営を支援する「おくちプラスユー」というサービスを提供しています。歯科健診や歯科取組に興味はあるけど、何から始めて良いか分からないというお悩みがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

法人向けウェルビーイングサポートサービス
「おくちプラスユー」

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まとめ

今回は、今注目されている歯科健診と、企業で取り組むうえで期待される効果について解説しました。口腔健康の維持は、今後さらに重要度が増していくことが想定されます。企業においても、従業員の健康維持や生産性向上のために、積極的に取り組むことを推奨します。歯科取組でお悩みのご担当者様は、ライオン株式会社の健康経営支援サービス「おくちプラスユー」までご相談ください。

「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

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